更年期障害とは?

症 状


女性の閉経前後期に卵巣機能の低下により、多彩な不定愁訴を発症する。

・月経異常
・のぼせ、ほてり、発汗、心悸亢進
・腰痛、肩こり、消化器症状などの様々な症状を訴える。



病 態


生涯に渡り排卵される卵の数は決まっているため、更年期になると正常な機能を持つ卵胞は徐々に減少し、月経周期も不規則になります。

やがて無排卵周期を繰り返し、閉経に至って卵胞は消失します。

その間卵胞からのエストラジオール(E1)は減少し、反対に下垂体からのLH,FSHは増加する

過剰に分泌されたLHとFSHが自律神経中枢に影響を与え様々な症状が発生するのです。



鍼灸治療の更年期障害に対するアプローチ

更年期障害は明らかに視床下部-下垂体系の機能障害ですので自律神経失調症の鍼治療で改善します。

自律神経失調症の鍼治療はこちらから。

その他、肩こりや腰痛などがあれば適宜対応していきます。


更年期障害は病気ではないので鍼治療で症状の緩和をしながら更年期を乗り切ることが大切です。

あせる気持ちは大変良く分かるのですが、焦ると却って症状の悪化を招くこともありますので、精神的にリラックスすることが重要です。

そのため鍼治療もリラックスした状態を作り出すのがメインとなりますので、痛みスケール(注1)は1~3の間で治療します。


(注1)
痛みスケールとは鍼の刺激の度合いを数値化して患者さんに答えてもらうものです。
鍼灸治療の極意は適切なツボに適切な刺激を与えることにあります。
刺激の感じ方は患者さんそれぞれで違いますので痛みの度合いを聞きながら適切な鍼刺激を与えることが重要となるのです。

1.弱い
2.やや弱い
3.丁度良い
4.やや強い
5.強い

以上の5つの刺激の度合いを患者さんに答えて頂き、鍼の太さ、深さ、本数を決めていくのです。