始めに
不妊や生理痛、子宮内膜症、子宮筋腫などの婦人科疾患の最大の原因がお腹に溜まった汚血なのです。
汚血とは生理の血液が逆流してお腹に溜まってしまい、周囲の組織と癒着を起こし、子宮や卵巣の血流障害を引き起こします。
婦人科疾患の悪玉的な存在です。
西洋医学では汚血の存在は確認しているのですが原因と治療方法がありませんのであまり世間に周知されていません。
この汚血が何故お腹に溜まるのか?その原因は?そしてその治療方法は?
詳しく理解し、治療することで長年苦しんできた婦人科疾患から解放されるのです。
若い女性の皆様に是非このホームページで汚血の正しい知識を得て、快適な人生を送っていただけたら幸いです。
汚血の病態
汚血は生理の血が逆流してお腹に溜まってしまう現象です。
生理の血が逆流するって?はじめは良く分からないと思います。
その病態とはどんなものなのでしょうか?
なるべく分かりやすく説明していきたいと思います。
これは女性の生理と大きな関係があります。
子宮の内側には、生理機能を営む膜「子宮内膜」があります。
妊娠すれば、そこに受精卵が着床し、脱落膜となり、胎児―胎盤系を形成します。
妊娠しなければ、その膜ははげ落ちて、外に出血として出ていきます。
これがすなわち、月経(生理)です。
妊娠に至らなければ子宮内膜は、2~3日ではげてしまいますが、出血は5~7日も続きます。
これは子宮の出口(外子宮口)は、非常に細い管(子宮頸管)となっているからなのです。
一度に子宮内膜がはげても、子宮口が狭いために、1日目は子宮口を開き、2日目にやっと開いた子宮口から内膜が流出するために、この日が最も出血が多くなります。
3日目から減少して、5~7日で出血は終了します。
そして、注意すべきことは、 はげ落ちた内膜の逃げ道として、下方の子宮口のみでなく、上方の卵管もあるということです。
1日目に、子宮内腔ははげ落ちた内膜で、内圧が上がります。
その圧力で月経血は外へ出ようとしますが、下方は狭くて十分出ることができません。
そこで、 抵抗の少ない卵管を伝って腹腔内へと逆流してしまうのです。
子宮内と違って、 お腹の中の血は逃げ場がありませんから、古くなるとドロドロになって骨盤内の臓器どうしを癒着させます。
この 生理で逆流した血液が腹腔内で留まっている状態が汚血 なのです。
汚血の存在場所
汚血は子宮の中から卵管を通って卵管采に到達して、骨盤内に飛び出していきますのでかなりの広範囲に存在します。
溜まった汚血は周囲の組織を癒着させてしまい、血流障害を引き起こすことによって様々な症状が現れます。
部位別でどのような症状が出るのか解説していきます。
1.子宮本体への癒着
・卵管への癒着
卵管内に汚血が溜まって卵管内を癒着させ、卵管閉塞を引き起こします。
・卵管采への癒着
卵管采への癒着により、卵管采が閉じてしまい、ピックアップ障害や卵管水腫を引き起こします。
・子宮内膜症
子宮内部や子宮卵巣周辺に飛び散った汚血が内膜症を引き起こします。
2.子宮動静脈への癒着
子宮への血流そのものが障害されますので以下の症状が考えられます。
・子宮内膜が厚くならない
子宮への血液が充分に行き届かないために内膜が厚くならない
・流産
原因が分からない流産の場合、そもそも妊娠してからの胎盤への血流が阻害されて流産する可能性もあると思います。
・不育症
流産と同じく、着床してからの子宮への血流障害が原因と思われます。
3.卵巣本体への癒着
基本は卵巣内にある卵胞からのエストロゲン産生の阻害、黄体でのプロゲステロン産生の阻害
・チョコレート嚢胞
排卵時に卵巣の皮膜を破って卵子が飛び出ますが、その破れた所から汚血が侵入してチョコレート嚢胞を発症
・卵子の質の低下
卵巣の癒着により圧迫された卵巣内の卵子の質の低下
PCOS(多嚢胞性卵胞症候群)
PCOSの病態は卵胞の莢膜細胞でのアンドロゲンの過剰生産に端を発し、エストロゲン過剰生産によるネガティブフィードバックがかかってLHの過剰産生となります。
LH過剰生産によってさらにアンドロゲン増加、エストロゲン過剰生産の悪循環を繰り返す疾患なのです。
このアンドロゲンの過剰生産に汚血の癒着が原因となっていると思われます。
4.卵巣動静脈への癒着
・卵子の質の低下
卵巣へ行く血流が阻害されて血液が酸性化されてしまい、活性酸素を除去しきれなくなる。
その結果卵子のDNAを損傷してしまい、卵子の質の低下を招いてしまいます。
・黄体形成不全
卵巣へ十分な血液が行かないので黄体の機能が十分に発揮されない状態です。
汚血の原因とその対処方法
以上のように汚血は様々な不妊症の原因となる症状が出現してしまうのです。
それでは何故汚血が溜まってしまうのか?その原因と対処方法を解説していきたいと思います。
汚血の原因は子宮の位置異常なのです。
子宮卵巣は骨盤に靭帯というロープで繋がれている状態ですので骨盤の歪みによって子宮が動いてしまうのです。
子宮が正規の位置にないことで汚血や不妊症の決定的な原因となります。
このことについては別のホームページで詳しく解説していますので下記リンクから飛んで下さい。
生理の血が逆流してしまう原因
汚血は逆流して卵管からお腹に出てしまうと述べました。
ここまでは西洋医学でも把握しているのですが、何故逆流してしまうのでしょうか?
この原因については西洋医学では分かっていません。
何故なら原因は構造上の問題で骨盤の歪みに原因があるからなのです。
構造上の歪みで血流が悪化するという理論は西洋医学ではなく、東洋医学だからなのです。
まず最初に子宮と卵巣の位置を確認しておきましょう。
子宮は骨盤内にあって前に膀胱、後ろに直腸があります。
子宮は前傾・前屈の状態で丁度膀胱に覆いかぶさるような格好になっています。
真横から見ますと下図の様になっています。
子宮の位置がこのようになっていますと、まず生理の時に子宮内膜が膣から排出されやすくなります。
妊娠が成立しないと子宮内膜は膣から排出されますがこれは便通と一緒で上部にある腹腔からの腹圧が子宮底の部分にかかり、膀胱と挟み込んで上下から圧力をかけて膣側に排出するのです。
生理痛がない女性は子宮が正常な位置にあって子宮内膜がスムーズに体外に排出されるから不快な生理痛がないのです。
これが正常な生理の状態なのですが骨盤の異常がありますとこうはうまく行かないのです。
まず初めに子宮はどのように保持されているのかを見ていきたいと思います。
先ほど述べました通り子宮の後ろに直腸が、前に膀胱がくる形となっています。
下図のように後ろは仙骨と仙骨子宮靭帯で繋がっています。
左右は骨盤と基靭帯で繋がっています。
前は膀胱と膀胱子宮靭帯で繋がっています。
このように前後左右に靭帯で繋がっている状態なのです。
丁度ロープで繋がって子宮の位置を固定しているような感じになります。
このように周囲の骨盤に繋がった状態で子宮は固定されています。
ですから骨盤が歪んでしまいますと子宮の位置も歪んでしまい、正常に生理の血を膣から排出できなくなるのです。
なかでも重要な靭帯は仙骨と子宮を結ぶ仙骨ー子宮靭帯です。
仙骨とは下図のように骨盤の中央に位置しています。
最近の若い女性は姿勢が悪くでちょうど下図のような姿勢を取ることが多いので仙骨が後方に変位してしまうのです。
仙骨が後ろに変位しますと子宮頸管の位置くらいに靭帯がありますので子宮が引っ張られてしまい、子宮頚管をふさいでしまうのです。
子宮頚管が塞がってしまい、膣側に排出されにくくなった生理の血が卵管を通ってお腹側に排出される事になるのです。
卵管から腹腔に出てしまった生理の血は子宮と膀胱の間(子宮膀胱窩)に溜まれば腹痛を起こし、子宮と直腸の間(ダグラス窩)に溜まれば腰痛を引き起こすことになるのです。
子宮頚管のつまりは精子が子宮内に侵入しにくい状態も引き起こしますので不妊の大きな原因となります。
少し長かったですがご理解頂けたでしょうか?
では、お腹に溜まった汚血を排出するにはどうしたら良いのでしょうか?
仙骨の位置を正常化すれば汚血は排出される。
既に溜まってしまった汚血を排出して、二度と溜めないようにするには仙骨の位置を正常に戻すことが必要です。
仙骨の位置を正常にするのは仙腸関節を緩める必要があります。
そのためには仙腸関節のつなぎ役である後仙骨靭帯を鍼治療で柔らかくしなくてはなりません。
同時に股関節と仙骨上の筋肉も鍼で治療する必要があるのです。
仙腸関節を緩め、仙骨をお腹側に抑え込むように整体治療を行います。
画像ですと見にくいかもしれませんが下図のような位置に鍼治療を施します
鍼治療をした後に仙骨を正しい位置にはめ込むような整体治療も行います。
以上のようにして仙骨を正しい位置に戻すことによって仙骨子宮靭帯によるテンションが消えて子宮が正常な位置に戻るのです。
子宮の位置が正常に戻れば汚血が排出され、各種婦人科疾患が改善されるのです。
少し長かったですがご理解頂けたでしょうか?
まだ理解できない、直接お話を聞きたいという方は是非不妊無料相談会にお越しください。