高プロラクチン血症とは?

下垂体前葉からのプロラクチン分泌が過剰になった状態で、下垂体腺腫や視床下部機能障害、薬剤によるものが多い。
20~30代女性に多い。


症 状


 

・乳汁漏出、無月経(軽症では黄体機能不全)、不妊
・男性では性欲低下が起こる
・頭痛、視野障害(下垂体線種の場合)
・血中プロラクチン上昇
・20~30代の若い女性に好発する



病 態


 

1.視床下部からのPRL抑制因子(PIF)すなわちドパミン(DA)(注1)の分泌抑制が作用しなくなったり、下垂体腫瘍などが原因でPRLが過剰に分泌。

2.乳腺での乳汁産生を刺激して乳汁漏出を起こす。

3.血中PRL濃度の上昇は、視床下部においてPRL抑制因子ドパミン(DA)の産生を促進。

4.DAはGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)のパルス分泌を抑制する。

5.結果LH・FSHの分泌が低下し性腺機能低下をもたらす。


(注1)


視床下部でのPRLの分泌調整では放出因子(PRF)による分泌促進作用よりも抑制因子(PIF)ドパミン(DA)による抑制作用の方がはるかに強い。
このため非妊娠時はPRLは低値にとどまり乳汁は分泌されない。



原 因


1.PRL産生下垂体線種(プロラクチノーマ)(約35%)

線種により自律性にPRLの過剰分泌が起こる。
成長ホルモン産生腫瘍がPRLを分泌することもある。


2.視床下部機能障害(約30%)

視床下部でのドーパミン産生が低下しPRL分泌が増加する。


3.薬剤性(約9%)

ドーパミン受容体遮断薬(抗精神薬、抗うつ薬、制吐薬、抗潰瘍薬)
ドーパミン産生抑制薬(降圧薬、循環器薬)


4.原発性甲状腺機能低下症(約5%)

甲状腺ホルモンの低下により、視床下部からのTRH分泌が増加し、その刺激でPRL分泌が増加する。



鍼灸治療の高プロラクチン血症に対するアプローチ

鍼灸治療はの明らかに適応は視床下部機能障害である。

視床下部の機能を正常化することによってプロラクチン抑制因子(ドパミンDA)の放出させてプロラクチンの過剰分泌を抑えるのです。

視床下部機能障害であるので自律神経の鍼で対応が可能です。

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