早発卵巣不全とは?

40歳までに内分泌学的に閉経期と同じ状態(高ゴナドトロピン性低エストロゲン血症)となり、4~6カ月間続発性無月経を呈する病態を言い、排卵誘発は著しく困難である。



症 状


・無月経
・閉経
・不妊



病 態


病因は早期卵胞喪失(PFD)ゴナドトロピン抵抗性卵巣症候群(Gn-ROS)に分けられる。)

PFDは卵巣内に卵胞がない状態でGn-ROSはゴナドトロピン分泌の異常、または卵胞のゴナドトロピン受容体の異常で排卵が起こらない状態です。


☆ 40歳以下での閉経は早発閉経と呼ばれ、卵巣機能が不可逆的に廃絶した状態である。



早発卵巣不全に対する鍼灸治療のアプローチ

鍼灸治療はGN-ROsの場合に有効と考えられます。

ゴナドトロピン分泌異常は視床下部ー下垂体系の機能異常ですので自律の鍼で改善が期待できますし、卵胞のゴナドトロピン受容体の異常は卵巣周囲の血流の改善で期待が持てます。

PFDや早発閉経に関しましても1000個ぐらいの卵胞が残っていますので西洋医学で原始卵胞体外活性化法(IVA:in vitro activation)という治療方法がありますので鍼灸治療との併用で期待が持てます。

事実当院でも36歳の時に早発閉経の診断を受けて、40歳の時からIVA治療を受けている患者さんを診た経験があります。
簡単な治療方法ではありませんし、大変長くかかってしまいましたが45歳で無事妊娠出産までいった症例がありますのであきらめずに挑戦してみてはいかがでしょうか?


(注1)
痛みスケールとは鍼の刺激の度合いを数値化して患者さんに答えてもらうものです。
鍼灸治療の極意は適切なツボに適切な刺激を与えることにあります。
刺激の感じ方は患者さんそれぞれで違いますので痛みの度合いを聞きながら適切な鍼刺激を与えることが重要となるのです。

1.弱い
2.やや弱い
3.丁度良い
4.やや強い
5.強い

以上の5つの刺激の度合いを患者さんに答えて頂き、鍼の太さ、深さ、本数を決めていくのです。