脳卒中片麻痺の鍼
脳血流改善の鍼
そもそも何故脳卒中になるのか?と言いますと脳への血流不足が原因なのです。
脳への血流不足は肩首コリが主な原因ですので、リハビリでも肩首コリの解消が重要なポイントとなってきます。
脳へ十分な酸素や栄養がたっぷり詰まった綺麗な血液を送ってあげることで死んでしまった脳細胞の再生を促すのです。
脳への血流を改善する三つのポイント
1 後頸筋
2 胸鎖乳突筋
3 後頭環椎関節
4 上矢状静脈洞
脳への血液の流れを改善するには脳へ流れる二つの血管 椎骨動脈と頸動脈の流れを改善する必要があるのです。
椎骨動脈は頸椎の脇を流れる動脈なので頸の後ろの筋肉を柔らかくする必要があるのです。
頸動脈は頸の横を走行していますので胸鎖乳突筋という大きな頸の横の筋肉を柔らかくする必要があります。
加えて頭と頸の境目の関節である後頭環椎関節が硬くなりますと頸と頭の隙間がなくなり、頸の動きが制限されますので全体的に頭部への血流が悪くなります。
また頭頂部への鍼治療の刺激で上矢状静脈洞の流れを改善して速やかに脳内にある静脈血を排出させてクリアな状態にさせます。
これらの治療を組み合わせて脳への血流を徹底的に改善していき脳細胞の活性化を図るのです。
後頸筋への鍼治療
椎骨動脈は頸の後ろを走行して脳底動脈に血液を送り込むルートです。
椎骨動脈は頸の後ろの筋肉 板状筋 半棘筋などが硬直すると圧迫を受けて脳への血液がうまく回らなくなります。
ここに鍼治療を施して椎骨動脈の圧迫を解放させます。
胸鎖乳突筋への鍼治療
胸鎖乳突筋は頸の横にある筋肉で頸の筋肉の中で最大の大きさの筋肉です。
この筋肉の真下を総頚動脈が走っています。
総頚動脈は椎骨動脈よりも大きい血管ですのでより多くの血液を脳に輸送しているのです。
現代人はスマホやパソコンの影響で食いしばりや歯ぎしりをする人が多く、その時に緊張する筋肉なのです。
この筋肉は後頸筋と違って横向きで治療しないと効果がありません。
環椎後頭関節への鍼治療
環椎後頭関節は頭蓋骨と頸椎をつなぐ大切な関節です。
この部分が硬くなって動きが制限されますと頸全体が硬くなって脳への血流を阻害します。
また頭頚部境界線と言って頸と後頭部の境目全体が硬くなって詰まってしまいます、頭と頸の隙間がなくなってしまい、あたかも頸をすくめた亀のような感じになってしまいます。
こうなってしまいますと脳への血流もストップするどころか脳からの静脈血も帰ってこなくなりますのでいつでも酸欠の血液が脳内に充満することとなるのです。
この環椎後頭関節から頭頚部境界線への鍼治療を施すことによって頸椎の動きを改善して脳への血流を促進するのです。
上矢状静脈洞への鍼治療
上矢状静脈洞とは左図のように頭蓋骨と脳の間にある大きな静脈です。
洞と名の付くほどですので普通の静脈の血管より広いです。
脳周囲の静脈を一同に集めて排出している場所です。
ここに静脈血が溜まってしまい、脳から排出されませんと脳内に汚い血液が充満してしまう事になるのです。
頭頂部に鍼刺激をして必要ならばパルスをかけて刺激することで頭蓋骨のすぐ真下にある血管ですので刺激を受けて血流が改善するのです。
体験した患者さんは一様に頭がスッキリすると言ってくれます。
拘縮した関節へ鍼治療
拘縮を緩めるために各関節への鍼をして柔らかくしていきます。ここでのポイントは硬くなった筋肉ではなくてあくまで関節の靭帯にターゲットをおいて治療することです。
肩関節から肘関節への鍼治療です。
しばらくしますと拘縮した腕が伸びるようになってきます。
足関節の鍼治療です。
足関節の屈曲進展がしやすくなるのでつまづく事が減るようになります。
膝関節周囲への鍼です。
この他に患者さんの状態に応じて股関節や腰への治療も加えていくこともあります。
関節への痛み刺激がフィードバックして脳への刺激にもなりますので脳への更なる血流改善効果も期待できると思います。