病院ではコリは治せない

病院などの行って、レントゲンやMRIなどの画像検査をしたり、血液検査などをしても異常なしと言われたり、たとえ診断されてもいっこうに改善しないと訴える患者さんがいます。

こういう患者さんは一時的に痛み止めを服用したり、電気治療やリハビリなどで痛みを緩和したりして、長期間ダラダラと治らずに苦しみ続けます。

それどころか、薬の長期服用により副作用にも悩まされることにもなるのです。

これは何故でしょうか?

患者さんの痛みの原因が筋組織のコリだからなのです。


肩こり腰痛などを体験されたかたは多いと思うのですが、これは筋肉が固くなってしまい神経や血管を締め付けたり圧迫することによって、血流を悪くしたり、神経の電気信号を阻害して痺れや痛みを発生させているのです。 

そしてこのコリは病院では治せないのです。

何故ならコリは病気ではないからです。

西洋医学ではウイルスや細菌などの感染症、骨折、けが、各種の膿やガンなどの細胞組織が変化してしまっているものを病気を認定しているのです。

コリは筋肉中に老廃物が溜まっているだけの状態ですのでレントゲンやMRIなどには映りませんし血液検査でも異常値を示さないのです。 


身体のいたるところが凝ってくるのです。

全身の筋組織はコルのです。

「人間は柔らかく生まれて硬くなって死んでいく。。」という言葉がありますが、どうしても老化と共に各所が硬くなる傾向にあります。

逆を言えば全身を軟らかく維持できれば健康で長生きが出来ると言うことが出来るでしょう。

患者さんに説明するときに、肩首や腰は凝るのは理解して頂けるのですが、治療中に患者さんに、「ここが固いですよ、凝っていますよ。。。」と言うと「え~~何でそんなとこが凝るんですか?」という答えが返ってきます。 

全身の筋肉は凝るのです。

お腹、顔、頭、指、 お尻、 胃、肝臓、腸、目玉、、、およそ凝るなんて考えられないところが凝るのです。

自分では想像できないところにコリがあるのです。

そこに病気を直す大きなヒントがあるのです。

人間の体の中で凝らないのは骨、髪の毛、爪、歯くらいのものでその他の組織はその全てが硬くなるのです。

この硬くなった筋組織をしっかりほぐして柔らかくする事で身体の不調を治すのです。

西洋医学では筋肉などのコリが痛みや痺れ起こすという考え方が全く欠如しているのです。


西洋医学では筋肉の病変が原因とは思わない。


先ほども述べたように病院などの西洋医学では筋組織のコリが神経や血管を圧迫して症状を出す事自体を習っていないのです。

そういう勉強自体してないのです。

ですから 西洋医学では検査で特に体に器質的な異常がない患者さんには痛み止めや症状が和らぐ薬を処方したり湿布を出したりと対症療法的な治療をするのです。

これでは一時的には痛みは楽になりますが最終的に治癒には結びつきません。


そして最後には心理的な原因を求められて心療内科に回される患者さんも多いのです。

患者さんの中には「私は精神病じゃあない」って医師と大喧嘩した人もいるくらいです。

それくらい西洋医学側では筋組織のコリが体に及ぼす影響を分かっていないのです。

ただ単に筋肉が凝っているだけなのに非常に長い間辛い思いをしている方が少なくないのです 。

当院でも「もう少し早く知っていればこんなに長い間苦しまなくても済んだのに。。。」なんて言って下さる患者さんの何と多いことか。。。。

西洋医学で異常なしと判断されたらまずはコリを疑え!!

当院に来られる患者さんにまず最初に断っておくことがあります。

それは「まずは病院に行って検査をしてください。出来たら二件以上行ってください。
そして異常なしと判断されたり、手術の適応症でなければすぐに当院に来てください」と言っています。

病院での異常がない場合やすぐに手術の適応でない場合はコリが原因ですので西洋医学的な治療をしてもあまり効果が得られません。

痛み止めなどを長期に服用しますといずれ肝臓や腎臓に障害が起きます。

リハビリなどの手技では軽症な患者さんは効果がありますが重症な患者さんには手技は殆ど効果がありません。

西洋医学では打つ手がない難病と言われる疾患でも筋肉のコリを鍼治療で改善することで効果をあげているのです。


コリの重症度はコリの大きさ、深さ、硬さ、感覚で決まる。


筋組織のコリは実は軽いものから重いものまでありますが、コリの重症度を決定するものは一体何でしょうか?

それは凝りの硬さ、深さ、大きさ、感覚の4つです。


凝りは慢性的になればなるほど硬くなり、体の深くに沈み込み、小さく収縮していくのです。

一見凝りは大きくなると思われがちですが、症状の進行と共に凝りは硬く、小さくなり密度が高くなるのです。

そしてその周辺は腫れぼったい感じが広がる場合があります。

さらに感覚はどんどん鈍くなっていきます。 


ひどくなると中国鍼の太い鍼でさえも痛みを一切感じない患者さんもいるくらいです。

逆にコリの初期の時は腫れぼったい感じで柔らかく、比較的皮膚表面の近くにあり、広い範囲に留まっています。

そして感覚はするどいままなので痛みの感覚は強いままです。


このコリの初期症状ですと、シップ、電気治療、温泉、簡単なマッサージなどで効いてくるのですが慢性状態になると表面上の治療では治りません。

病気(凝り)は深く入り、更に硬くなり、小さく萎縮し、感覚がマヒするのです。

ここまで症状が進むと鍼治療でないと難しいのです。

重傷な患者さんは中国鍼など打っても感じない人もいますが、 改善してくるとともに感覚が戻り、凝りは表面に浮き、広がってくるので鍼の痛みも感じてくるようになります。

鍼の痛みを感じるようになったら細い鍼に変えていき、いずれは指圧のみにして、完治に至ります。


何故筋組織は固くなるのでしょうか?

それでは何故、筋組織はコリとなって固くなるのでしょうか?

この事は鍼灸治療の科学的根拠と深く関わってきますので是非熟読してご理解いただけるとありがたいです。

筋組織のコリ現象は人体の生命活動に深くかかわる問題ですので、まずは人間の代謝について理解する必要があるのです。

人は何故病気になるのか?

それを一言で言い表しますと血流が悪い事から病気は起こるのです。


生物は酸素を呼吸から吸収し、栄養を食べ物から吸収します。
吸収された酸素と栄養分は血液を通して各細胞に送り、各細胞は送られてきた酸素と栄養分で生命活動を行います。

生命活動を行った細胞は生命活動の結果出た老廃物を排出します。

二酸化炭素は吐く息から排出され、その他の老廃物はリンパの流れに乗って腎臓に行き、尿となって排出されます。

これを代謝と言います。
この代謝過程がスムーズに滞りなく行われていれば理論的には病気にはなりません。

問題は生命活動を行った後に排出される老廃物がスムーズに体外に排出されないことです。

西洋医学は体に必要な栄養を体に入れるという事に主眼を置いていますが東洋医学は老廃物をスムーズに体外に排出させる事に主眼を置いています。

この考え方は気功や漢方などの外の東洋医学にも通じるところがあるのです。

身体に溜まった老廃物を体外に排出させることこそが病気にならない体つくりの第一歩なのです。

ここでいう老廃物とは代謝の過程で出されるゴミみたいなもので、尿酸、乳酸、クレアチン酸などが代表例です。

老廃物がうまく流れないと筋肉組織中に溜まってしまい、硬くなってしまうのです。

この筋肉組織に老廃物が溜まって固くなる現象を東洋医学ではコリと表現しているのです。

老廃物が肩に溜まれば肩こりになり、腰に溜まれば腰痛になります。 下腹部に溜まれば不妊になり、顔に溜まれば老け顔になるのです。


固くなった筋肉組織は周辺の血管や神経を圧迫してしまい、様々な症状を引き起こします。

神経を圧迫すれば痛みや痺れとなって感じます。 血管を圧迫すれば各組織に栄養分が行かなくなり、老廃物が排出されにくくなるのです。

この現象が痛みや痺れなどの不調があっても西洋医学で異常なしと判断されてしまう原因なのです。

そして、この血流障害の状態はまだ西洋医学の病気の範疇ではないのです。
しかしこの状態が長く続きますといずれ癌、膿、胃潰瘍などの細胞自体の変化に繋がってしまうのです。

ここで血液の流れを改善し、筋肉中に溜まった老廃物を速やかに体外に排出し、元の柔らかい筋肉に戻すと様々な不調から解放され、病気の予防に繋がるのです。


筋肉の病変には三種類ある!!


筋組織のコリとは別に筋肉の症状としてはあと2種類あります。

一つ目は筋肉の怪我です。

捻挫、肉離れ、靭帯損傷などです。

患者さんは自分の症状の原因が分からないで来院されますので皆さん一応に筋肉をほぐせば治ると思っているのですが、なかには靭帯が損傷していたり、肉離れをしている人もいるのです。

これらは激しい運動や、ぶつかったりしないとならないと思っている方が非常に多いのですがそんな事はありません。
日常の生活の何てことない動作の中から起こりますので要注意です。

首の寝違えやぎっくり腰などのように急激に痛みが発生した場合がこの症例です。
この場合は指圧整体は厳禁です。鍼灸治療が効果を発揮します。

二つ目は内臓疾患からくる筋肉の痛みです。

特にガンなどからくる腰痛や背部痛があります。 最近では減りましたが以前では病院の検査にも行かないで当院に来る患者さんもいましたので非常に注意していました。この場合は進行性の疾患ですので鍼灸治療が効かないばかりか、症状が悪化していきます。
夜間に痛くなる夜間痛があるのも特徴です。

内臓疾患が重篤な場合は病院の治療と並行ると効果が大きいです。

 

実は筋組織のコリと上記の二つの病態の区別をつけないととんでもないことになるのです。