肩凝りの鍼灸治療
「肩凝り」は「首こり」と並んで現代病とも言える症状です。
肩凝りほどポピュラーな凝りはないと言えるほど多くの人たちの悩みの種です。
肩凝りも首凝り同様、年々酷くなっているのです。
原因はズバリ、スマホ、ストレス、姿勢が悪いです。
これらは現代人にとって切っても切れない関係ではないでしょうか?
肩凝りは単に肩の凝りだけに留まらずに首凝りに大きな影響を与えます。
首は脳と体を連結している重要な神経や血管が通っていますので、ここの筋肉が凝りますと神経や血管を圧迫してしまい、脳が酸素不足に陥ります。
その為様々な自律神経症状を発症させます。
それだけならまだいいのですが脳への血流障害が長く続きますと脳卒中や脳腫瘍へ発展する恐れがあるのです。
肩は大きく分けて4つの領域に分けて治療法を考える必要があるのです。

「肩凝り」は4つに分けて治療します
肩凝りは大きく分けて三つに分かれます。
肩凝りは範囲が広いためにどの筋肉が凝っているのか、自分で分からない患者さんも多いのです。
自分の肩凝りの場所が分からないと正確な治療効果が得られませんので注意が必要です。
肩は以下の4つの領域に分けて治療する必要があるのです。
1.肩井
2.斜角筋
3.大椎の歪み
4.肩甲骨ライン
肩凝りの鍼灸治療

1.肩井
肩井(けんせい)は肩凝りのツボの中で一番重要な場所です。
肩の井戸と書くので井戸のように凝りが深く沈む場所という意味です。
筋肉で言いますと僧帽筋です。これもまた肩こりで一番有名な筋肉ではないでしょうか?
肩井付近の僧帽筋は大変厚い筋肉で感覚が鈍いので肩凝りがひどくなりますと却って感覚がなくなる患者さんがいます。
自律神経症状を訴える患者さんで肩凝りを感じない人もいますので要注意が必要なのです。
肩井はうつ伏せより横向きでの治療のほうが圧倒的に効果があります。
2.斜角筋
斜角筋は肩と首の境目のところに位置する筋肉です。
厳密に言いますと斜角筋は首の筋肉ですがここは肩凝りとして訴える患者さんが多いのでこのホームページに載せました。
斜角筋については首凝りのホームページを参考にしてください。
3.大椎の歪み
大椎(だいつい)は肩井と同じくツボ名ですが筋肉ではありません。
第7頸椎と第一胸椎の間にあるツボです。
丁度体から首が出てくる場所で頭の重みがかかってくるところです。
この場所で椎骨が左右に曲がりやすいのです。
第7頸椎と第一胸椎付近の椎骨の歪みがあるといくら筋肉の凝りに治療しても治らないのです。
他の治療院等でなかなか治らない肩こりはこの大椎の歪みが原因であることが多いのです。

厳密の言いますと頸椎5番くらいから胸椎2番くらいまでが左右どちらかに歪みますと歪んだ方向の方が凝ってくるのです。
4.肩甲骨ライン
肩井と同じ僧帽筋の凝りですが、こちらは肩甲骨際くらいから肩甲骨の内側の角の部分の凝りです。
猫背などの人ではこの部位が一番凝っているという患者さんも多いのです。
僧帽筋は下図のように三つに分かれますが肩こりに関しては中部繊維が硬くなってくるのです。
