胸鎖乳突筋
起始 ・胸骨頭(胸骨柄の上縁)・鎖骨頭(鎖骨内方の 1/3)に付着
停止 ・側頭骨乳様突起・後頭骨上項線に付着。
支配神経 ・副神経・頚神経叢(C2 ~C3)
1. 左右同時に働いた場合(両側性作用)
両方の筋肉が収縮すると、主に頭の前後の動きに関わります。
頸部の屈曲: 顔を前に倒し、あごを引く動作です。
頭部の後屈:少し意外かもしれませんが、あごを突き出すように頭の上部を後ろに倒す動きもサポートします。
補助呼吸: 深く息を吸い込む際、胸骨と鎖骨を引き上げることで、呼吸を助ける「補助吸気筋」として機能します。
2. 片側だけ働いた場合(片側性作用)
右か左、どちらか一方の筋肉が収縮すると、首をひねるような複雑な動きになります。
反対側への回旋: 右の筋肉が縮むと、顔は「左」を向きます。
同側への側屈: 右の筋肉が縮むと、右の耳が右の肩に近づくように首が傾きます。
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体に与える影響
胸鎖乳突筋は首の筋肉なので当然、肩凝りや首凝りに大きな影響を与えます。
・天牖
・天鼎
・裏天窓(天窓別説)
この筋肉は頚と頭と胸の三か所に繋がっている為に様々な病気に影響を与えます。
・耳疾患(耳鳴り、突発性難聴、めまい)
・顎関節症
・自律神経(頭痛、目の疲れ)
・呼吸困難(睡眠時無呼吸症候群、過換気症候群)
1.耳に与える影響
胸鎖乳突筋は側頭骨の乳様突起という骨に付着しています。
側頭骨には下図のように内耳神経が入っていますので、胸鎖乳突筋が凝ると内耳の血流が悪くなり、耳鳴り、めまいなどの症状を引き起こすのです。

2.顎関節症
胸鎖乳突筋は顎関節には直接関与していませんが、完骨や翳風と言う顎の後ろのツボに関与していますので、ここの凝りを解消することによって顎関節症も改善するのです。
顎関節症にならなくても若者に多い食いしばりなどにも効果があります。
・完骨
・翳風

3.自律神経に与える影響
胸鎖乳突筋のすぐ裏側(内側)を、頸動脈が通っています。
頸動脈は、心臓から脳へ酸素と栄養を運ぶ最も太い血管です。
首の左右にあり、以下の内頚動脈と外頚動脈の2つに分かれます。
内頸動脈は大脳と眼球に血液を送っています。
外頸動脈は 顔の表面や頭皮、硬膜、舌、喉、あごの筋肉などへ血液を送ります。
したがって胸鎖乳突筋が凝ると自律神経の乱れや目の疲れ、喉や舌の異常、顔から頭皮への異常が現れます。
4.呼吸器与える影響
胸鎖乳突筋前縁には天容、天窓、扶突といったツボがあります。この周囲には気管や食道がありますので気道や食道を圧迫してしまいます。
その結果喉の違和感、圧迫感、呼吸がしにくい、食べ物を飲み込むときの違和感などの症状が現れます。

