子宮後屈

子宮後屈とは下図のように子宮が直腸側に立ってしまったような状態の事を言います。

子宮後屈となると大きな現象が三つあります。

1.子宮頚管が詰まってしまい、生理の脱落膜が排出されにくいので卵管側を通って腹腔に排出されてしまう。

2.子宮頚管が塞がった状態になるの精子が子宮に侵入できない。

3.子宮内膜が立ってしまい、壁のようになるので着床しにくく、着床しても維持しにくい。

この3つについて順次説明していきましょう。


 子宮頚管が詰まってしまい、生理の脱落膜が排出されずに、卵管側を通って腹腔に排出されてしまう。


子宮の位置が後屈になると子宮頚管が詰まってしまい、膣側に内膜が出ていかない状態となり、内圧が低い卵管側に排出されることになるのです。

子宮内膜の脱落膜は卵管を通過して卵管采から腹腔に排出されてしまいます。

卵管から腹腔に出てしまった脱落膜は子宮と膀胱の間(子宮膀胱窩)に溜まれば腹痛を起こし、子宮と直腸の間(ダグラス窩)に溜まれば腰痛を引き起こすことになるのです。

これが生理痛の原因となるのです。

東洋医学ではこの現象を「汚血」と呼んでいます。

この汚血が周囲の臓器との癒着を起こして血流を悪化させますので婦人科疾患最大の原因と言っても良いのです。

また脱落膜の細胞は通常は死んでいるのですが、活性化していると子宮内膜症や子宮外妊娠などの重篤な症状を引きおこすこともあるのです。



この汚血については不妊を筆頭に婦人科疾患最大の原因となりますので詳しく別サイトで開設していますので是非ご覧になってください。





 子宮頚管が塞がった状態になるので精子が侵入出来ない

子宮後屈になりますと子宮頚管が塞がった状態になりますので、そもそも精子が子宮内に侵入できなくなります。

夫婦共々に健康できちんとタイミングの時期も合っていて回数もこなしているのに妊娠しない場合はこの事が原因の場合が多いと考えられます。




 子宮内膜が立ってしまい、壁のようになるので着床しにくく、着床しても維持しにくい。

子宮後屈は子宮が立ったような状態になりますので、受精しても子宮内膜が立っている壁のようになりますので着床しにくくなり、着床しても妊娠を維持できにくくなるのです。



このように以上の三つの現象が起こってしまいます。

いずれも不妊症や婦人科疾患の主な原因となってしまうことが容易に理解できるのではないでしょうか?

それでは何故、子宮後屈になってしまうのでしょうか?その原因と対処法を紹介していきたいと思います。



子宮後屈の原因

トップページでの子宮の位置関係を念頭に置いて説明します。
まず上図のように前後左右の靭帯によって固定されている事を理解していただきたいのです。

子宮の前には膀胱子宮靭帯 横には基靭帯、そして後ろには仙骨子宮靭帯で繋がれて固定されているのです。

この事を念頭において子宮後屈が起こり、骨盤内臓器が病気になる原理を順を追って説明いたします。


姿勢の悪さが子宮後屈の決め手となる


現代人は姿勢が悪く、上図のように骨盤を立てて座ることが出来ないのです。

そうしますと骨盤の中心にある仙骨が後ろにずれることになります。



①まず初めに姿勢が悪いために仙骨が後方に変異する

②子宮と仙骨をつなぐ仙骨子宮靭帯が仙骨に引っ張られて子宮が後屈する

③子宮が後屈すると子宮頚管が詰まった状態になり、子宮内膜が膣から排出されにくくなる。

④排出されにくくなった子宮内膜は内圧が低い卵管を通って腹腔に排出されてしまう。


⑤腹腔に排出された生理血は周囲の臓器を癒着させてしまう。
(この生理血を汚血と呼んでいます。)

と、このような経過を辿って子宮が後屈するのです。


仙骨の位置を正常にすれば子宮後屈は改善する

図では分かりにくいのですが仙腸関節をまず緩める必要があります。

後仙腸関節靭帯に鍼治療を施すことによって仙腸関節が動きやすくなります。



仙腸関節に鍼治療をした後に整体で仙骨を正常な位置にはめ込みます。


このようにして仙骨を正常な位置に戻すことによって子宮は正常な位置に戻りますので生理痛や不妊症の改善に繋がってくるのです。