精巣への血流障害

精子の質の低下は精巣への血流障害です。

精巣への血液は精巣動脈が栄養と酸素を送っていますが、この精巣動脈は腎臓(腎臓動脈)の高さから発生しています。



大体臍の高さから始まり、下腹部を通り過ぎ鼠径部をくぐって精巣に到達する、かなり長いルートを辿っています。

この長いルートが精巣への血流を傷害している一番の原因なのです。

このルートには下腹部と鼠径部が関わっています。

最近の男性は座り仕事が多いせいか、下腹部が硬くなって、股関節を折り曲げていますので鼠径部での通過障害を起こしています。



座位での仕事が多いので股関節屈曲位で下腹部と鼠径部を圧迫してしまい、結果精巣への阻害しているのです。

当院に来院される不妊の男性には高頻度で下腹部の硬さと鼠径部の硬さが目立つのです。

 



精巣への血流を改善する治療

精巣への血流を改善するには精巣動脈から精巣へ行くルート上のツボを刺激して治療します。

以下のツボの中から反応のあるツボを選定して治療を施します。

メインになるのが鼠径部上のツボである気衝(きしょう)と衝門(しょうもん)ですが、この周囲は大変敏感な場所ですので細い鍼を使って弱刺激で浅鍼で施術します。

男性陣は痛みに弱い傾向がありますのでどうしても鍼治療が怖い人はお灸や高周波での治療でも効果があります。

あくまでリラックスしないと治療の意味がありませんのでご安心してください。

下腹部のツボで重要となるのが天枢、外陵、大巨、水道、帰来、腹結、府などで、触診して硬結のある所に取穴して治療します。


精巣の血流改善には骨盤側からの刺激も必要となってきます。

東洋医学には背中側のツボとお腹側のツボを挟み込むように治療すると内臓の血流が改善されるという理論があります。

基本的には股関節周囲のツボを使用して大殿筋、小殿筋を刺激すると精巣動脈の血流が改善されます。

胞肓(ほうこう)、秩辺(ちっぺん)ツボがメインとなってきます。




以上のツボ刺激で精巣への血流を改善して質の良い精子を作りましょう!!

また精子の産生には女性同様、自律神経が大きく関わってきますので自律神経の乱れも調整する必要があります。