精子の質の低下


男の精子だって劣化する

男性の精子だって劣化します!!

男性陣は未だに男はいくつになっても子供が産めるなんて信じている人が多いのに驚きますがそんなことはありません。

年齢と共に精子の質は確実に落ちます。

問題なのは精子の染色体が正常なのか?ということです。

精子は毎回作られますので卵子よりは劣化が遅いのですが、年齢と共に当然、染色体の異常が現れやすくなります。

精子の中にある遺伝子情報はその都度コピーして作られますが、コピーの回数が増えるほどコピーミスも増えてくるのです。

これは老化も同じですが年齢と共にコピーミスが増えていくのです。

ところが、良く言われるのが「病院での検査では異常はありませんでした。」というものです。

院での検査で異常なしと言われると安心してしまって自分には異常がないんだと誤解する男性が多いのです。

「卵子の質の低下」は世間でも叫ばれているのに「精子の質の低下」は叫ばれていません

女性の方も頑なに病院の検査を信じますので原因は自分にあると思い込んでいることが多いのです。

これはどういうことを言っているのかと言いますと病院での精子検査はシャーレに精子を入れて数を調べたり、運動しているかを調べているだけなのです。



所謂見た目だけで精子の質を判断しているのです。

精子の染色体が正常かどうかは判別していません。

何故ならば今の現代医学では染色体異常を起こしている精子を治すことが出来ないからなのです。

ですから対症療法的にタイミング→人工授精→体外受精→顕微受精と受精の方法をステップアップしていくしかないのです。

夫婦共に西洋医学的に異常なしで顕微授精までしても妊娠出産に至らない場合は男性の染色体異常も当然考えられるのです。



染色体異常を起こしていない精子を作るには?

それでは染色体異常を起こしていない質の良い精子を作るにはどうしたら良いのでしょうか?

これは女性の場合と同じで精巣に行く血流を改善することで解決します。


精子の質の低下は精巣への血流障害です。

精巣への血液は精巣動脈が栄養と酸素を送っていますが、この精巣動脈は腎臓(腎臓動脈)の高さから発生しています。



大体臍の高さから始まり、下腹部を通り過ぎ鼠径部をくぐって精巣に到達する、かなり長いルートを辿っています。

この長いルートが精巣への血流を傷害している一番の原因なのです。

このルートには下腹部と鼠径部が関わっています。

最近の男性は座り仕事が多いせいか、下腹部が硬くなって、股関節を折り曲げていますので鼠径部での通過障害を起こしています。



座位での仕事が多いので股関節屈曲位で下腹部と鼠径部を圧迫してしまい、結果精巣への阻害しているのです。

当院に来院される不妊の男性には高頻度で下腹部の硬さと鼠径部の硬さが目立つのです。

 



精巣への血流を改善する治療

精巣への血流を改善するには精巣動脈から精巣へ行くルート上のツボを刺激して治療します。

以下のツボの中から反応のあるツボを選定して治療を施します。

メインになるのが鼠径部上のツボである気衝(きしょう)と衝門(しょうもん)ですが、この周囲は大変敏感な場所ですので細い鍼を使って弱刺激で浅鍼で施術します。

男性陣は痛みに弱い傾向がありますのでどうしても鍼治療が怖い人はお灸や高周波での治療でも効果があります。

あくまでリラックスしないと治療の意味がありませんのでご安心してください。

下腹部のツボで重要となるのが天枢、外陵、大巨、水道、帰来、腹結、府などで、触診して硬結のある所に取穴して治療します。


精巣の血流改善には骨盤側からの刺激も必要となってきます。

東洋医学には背中側のツボとお腹側のツボを挟み込むように治療すると内臓の血流が改善されるという理論があります。

基本的には股関節周囲のツボを使用して大殿筋、小殿筋を刺激すると精巣動脈の血流が改善されます。

胞肓(ほうこう)、秩辺(ちっぺん)ツボがメインとなってきます。




以上のツボ刺激で精巣への血流を改善して質の良い精子を作りましょう!!

また精子の産生には女性同様、自律神経が大きく関わってきますので自律神経の乱れも調整する必要があります。